『夏目友人帳』第7話「子狐のぼうし」を見た。

夏目友人帳』第7話「子狐のぼうし」を見た。今回もある種のもの悲しさと、ささやかな優しさに包まれたストーリーだった。母親に死別したらしい子狐(人間の男の子に耳が生えているようにしか見えないが)と夏目の交流を描いている。最初の頃に比べて、夏目がある種積極的にかかわるようになってきたのが、物語の進行としては自然なことなのかもしれないが、意外だ。夏目自身が、新たに家族を得たというか、なじんできたからなのかもしれない。

登場する人物、妖怪は、一見強面であっても、本質的には優しいモノが多い。たとえば、子狐を騙して魚を貢がせていた妖怪も、最後にはアドバイスと人間に1日だけ変身できる薬を渡したりしている。リアルな世界であれば(この物語にリアルをもとめてもまったくしょうがないことだろうけれど)、ただ、搾取されただけで終わったろう子狐が、すでにきちんと気にかけられている。

ストーリーはなんてことはないし、ある種とても甘い世界観だろう。だが、それがゆったりとした音楽も含めて、とても心地いい。リアルライフが悲惨だからこそ、それからの逃げとしてではなく、ある種のあってほしい世界を描いているように思えるのかもしれない。

7.0