『秋季限定栗きんとん事件』上下を読んだ。
待たされただけのことはあった。傑作、だと私は思ったが、よく考えてみるとキャラクター小説でもあった。いわゆるラノベではないと私は思う(書籍の体裁や外見に騙されてはいけない)。犯人は大体の人が予想できるが、この物語で重要なのは、犯人ではなく、なぜ、ある人がそういった行動を取ったのか、なのだろう。そういった意味では後味が悪く感じる人もいるかもしれないが、前作の衝撃を思えばなんてことはないな。十分に予想された範囲内ってことが、ある種キャラクター小説だと言わざるをえない部分ではないかと思う。それは、本書の欠点かといえば微妙だけれど。
しかし、一人を除いて主人公達を含めてみんなひどい人たちばかりだなw
おそらく、最終巻になるのだろう『冬季〜』が今から楽しみだ。いや、本当に出るかどうかも知らないけれどね。でも、二人の決着はつけてほしいな。恐ろしいことになるだろうけれど。
6.5
- 作者: 米澤穂信,片山若子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 78回
- この商品を含むブログ (322件) を見る
秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
- 作者: 米澤穂信,片山若子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/03/05
- メディア: 文庫
- 購入: 10人 クリック: 105回
- この商品を含むブログ (309件) を見る