『秋季限定栗きんとん事件』上下を読んだ。

待たされただけのことはあった。傑作、だと私は思ったが、よく考えてみるとキャラクター小説でもあった。いわゆるラノベではないと私は思う(書籍の体裁や外見に騙されてはいけない)。犯人は大体の人が予想できるが、この物語で重要なのは、犯人ではなく、なぜ、ある人がそういった行動を取ったのか、なのだろう。そういった意味では後味が悪く感じる人もいるかもしれないが、前作の衝撃を思えばなんてことはないな。十分に予想された範囲内ってことが、ある種キャラクター小説だと言わざるをえない部分ではないかと思う。それは、本書の欠点かといえば微妙だけれど。

しかし、一人を除いて主人公達を含めてみんなひどい人たちばかりだなw 

おそらく、最終巻になるのだろう『冬季〜』が今から楽しみだ。いや、本当に出るかどうかも知らないけれどね。でも、二人の決着はつけてほしいな。恐ろしいことになるだろうけれど。

6.5

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)