『涼宮ハルヒの憂鬱』第14話「エンドレスエイト」考

やられた。それが、最後まで見終わった素直な感想だ。実際に、そういった言葉を吐いたかもしれない。ほとんどの人が第13話「エンドレスエイト」の解決篇だろうとこの第14話を思っていたことだろう。回数のミスリードもあるし、原作既読者の方がしてやられた感は強いのではないかと思う。途中までは原作通りに進み、最後にうっちゃった。見事だ。

もちろん、「エンドレスエイト」にそんな話数が必要なのかという疑問も当然出てくるだろう。最低3話は確定したわけだし。だが、忘れていけないのは、小説とアニメーションでは見栄えが全然違うということだ。ビジュアルな見栄えと、小説としてのクライマックスは全然違う。『涼宮ハルヒの憂鬱』においてもそれは顕著だろう。『ライブ・ア・ライブ』『射手座の日』(個人的にはあまり好きじゃないんだけれど)みたいな、原作ではさほど目立たないエピソードが、アニメーションでは、もちろん、制作会社の技量、監督などの技量にもよるのだろうけれど大変な傑作となった。

エンドレスエイト」について考えてみると、第13話である意味「けいおん!」や「らきすた」のようにどうでもいい青春の1ページを、そこそこていねいに描写してみせた(あまりにもありきたりすぎるところが逆にまたイベント消化としてはいいことなのかもしれない)。第14話でミステリーとして表現し、そして解決篇できっとやらかしてくれるに違いないという期待感をつないだ。

やっぱり、ハルヒはライブに限るぜ、という期待感を見事に煽ってくれた。「エンドレスエイト」で3話以上使うことで、何をやらかされるかわからないという恐れと興味を見事に原作既読者に植え付けてくれたと思う。ただ、そうはいっても、話自体はありきたりな話だからなあ。

6.5