『死神少女』吉野匠著、を読んだ。

結構、読んだラノベなんかが貯まってきているので、感想などをしばらく書いていきたい。

『レイン』シリーズで知られる吉野匠の書き下ろし『死神少女』を読んだ。1,155円もしたし後書きがないが、これはラノベだよなあ。どっちかというと表紙の女の子(これがまたきつそうなんだw)に惹かれたジャケ買いかもしれない。話は突っ込みどころ満載、って感じだと思ったんだけれど、確かに突っ込みどころ満載だけれど、隠れた設定がいろいろありそうだなあという気もちょっとした。まず、途中まで気づかないが、舞台となっている時代は現代じゃない。結構未来っぽい。

話は、いかにもな高校生妄想同級生ものって感じのラノベ風。ただし、ヒロインが本物の殺し屋っていうところだけが一風、というかかなり変わっている。バンバンって感じでもないけれど、きちんと人は死ぬ。ある意味、非常にリアルな部分もあるけれど、キモオタが好みそうな設定でもある(orz すいません)。なぜ、少女が主人公に惹かれていったかの描写がうまい(タイミングの良い優しい言葉と餌付けか?)。章題の『史上最強のツンデレ』にはつい爆笑させられたが、そんな感じ。

うまいし手慣れた感じだけれど、ライトノベルを読んだようなある種のむなしさも感じる。まあ、主人公がかなり無茶な人でもあるのだけれど、その必然性が少し弱い気もしたけれど、美少女のためには命くらいかけるか。男の子なんだし。

6.5

死神少女

死神少女

『涼宮ハルヒの憂鬱』第14話「エンドレスエイト」考

やられた。それが、最後まで見終わった素直な感想だ。実際に、そういった言葉を吐いたかもしれない。ほとんどの人が第13話「エンドレスエイト」の解決篇だろうとこの第14話を思っていたことだろう。回数のミスリードもあるし、原作既読者の方がしてやられた感は強いのではないかと思う。途中までは原作通りに進み、最後にうっちゃった。見事だ。

もちろん、「エンドレスエイト」にそんな話数が必要なのかという疑問も当然出てくるだろう。最低3話は確定したわけだし。だが、忘れていけないのは、小説とアニメーションでは見栄えが全然違うということだ。ビジュアルな見栄えと、小説としてのクライマックスは全然違う。『涼宮ハルヒの憂鬱』においてもそれは顕著だろう。『ライブ・ア・ライブ』『射手座の日』(個人的にはあまり好きじゃないんだけれど)みたいな、原作ではさほど目立たないエピソードが、アニメーションでは、もちろん、制作会社の技量、監督などの技量にもよるのだろうけれど大変な傑作となった。

エンドレスエイト」について考えてみると、第13話である意味「けいおん!」や「らきすた」のようにどうでもいい青春の1ページを、そこそこていねいに描写してみせた(あまりにもありきたりすぎるところが逆にまたイベント消化としてはいいことなのかもしれない)。第14話でミステリーとして表現し、そして解決篇できっとやらかしてくれるに違いないという期待感をつないだ。

やっぱり、ハルヒはライブに限るぜ、という期待感を見事に煽ってくれた。「エンドレスエイト」で3話以上使うことで、何をやらかされるかわからないという恐れと興味を見事に原作既読者に植え付けてくれたと思う。ただ、そうはいっても、話自体はありきたりな話だからなあ。

6.5