『偽物語』[上]を読んだ

西尾維新の『化物語』、『傷物語』に続く『偽物語』上を読み終えた。いやあ、西尾維新らしい話だった。書きたいように書いたってことだそうだけれど、一段とメタが増えていた。今回は『化物語』のアニメ化にからんだメタ話が多かったような。言葉の使い方が好みだ。ボケと突っ込み、また、放置が好みだ。いかにもライトノベルって風を装いながら、さらに上をいく欲望充足的な話が好みだ。日常の合間に見える残酷さ、せこさ、美しさが好みだ。

登場人物は、正直なところそれほど好みじゃないんだけれど、文章が好きなんで騙されて? 読んでいる。キャラクター的には主人公は、一見ありきたりだし、女性たちもそうなのかもしれないけれど、西尾的な痛さが心地いい。何を書いているのか、私自身だんだんわからなくなってきたけれど。

話自体は、今回の暴力で対決する相手(当番?)が、割と意外な人だったんで、逆に危機感みたいなものはなかった。間の外し方がまたうまいんだよな。ある意味チンケな本当の敵も好みじゃないが、意外性がうまかったと思う。下巻が今から楽しみだ。

化物語』のアニメーションも、シャフト、新保監督という最強コンビなんで、アニメ化が難しい話だと思うのに、小説とはまったく別の作品として今からわくわくしている。

7.5

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(上) (講談社BOX)