『うさぎドロップ』第5巻を読んだ
雑誌ですでに読んでいた話だが、まとめて読むといいねえ。個人的には4巻までの第一部よりも好きかも。第一部が良くも悪くも30代のおっさんの子育てというある意味で描きやすい話だったのに対して、ある意味で王道の恋愛ものだってのはいっそいさぎよい。子供の頃から成長を知っている子たちが、大人になっていくのをただ見守っているだけ、って雰囲気で読んでいる。
まとめて読むと、りんがコウキを好きだったのがはっきりとわかって愕然とする。いやあ、連載で読んでいるときっていうか結構忘れてしまっていた。それでも、好きに流されないりんってすごく強いな。生きにくい強さなのかもしれないが。時に考えずに流された方が、いろいろ進展っていうか変化もあるだろうに、好きであるとしても冷静に見つめられるってのは、それはそれで大変な性格のような気がする。ここまでくると、おっさんたちの恋愛ってなさそうだなあ。それはそれでちょっと残念だが、今後の二人が楽しみすぎる。
7.0
- 作者: 宇仁田ゆみ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/01/22
- メディア: コミック
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[追記] 変化とマンネリ
昔、papa told meが好きだった。いまだに連載は続いているようだが、現在は私はまったく読まなくなっている。スノッブなちょっときどった親子の話って、段々、同じ話の繰り返しでつまらなく感じるようになったのだ。成長しない子供。すでに子供でさえなく、何か作者の主張とか美とかを肩代わりした存在でしかないのかもしれない。
いや、それが悪いっていうんではなくて、そういったある意味売れた作品を継続していくことに比べて、宇仁田ゆみの潔さ、あきらかに人気があって売れている設定をすぱっと変更ししまうという作家性にしびれてしまう。それは作者の業でしかないのかもしれないが、ベスト10とかで人気のある状況を平気で変更してしまうってのはすなおにすげーなーと思う。もちろん、それが既存読者に受け入れられるとは限らないわけだけれど、私はおもしろく読んでいるからいいのだ。
どこへ向かっているのかはわからないけれど、正直、一生ついていくって気分になっている。