一肇『幽式』を読んだ

ガガガ文庫では初だが、他のレーベルでは結構著作のある一肇(私は初読)の『幽式』を読んだ。ビビリのオカルトマニアの「おれ」が出会った電波な美少女との物語。亡霊の描き方が秀逸。怖いってほどじゃないが、段々追いつめられていく感じがうまい。主人公の口調とかは、ちょっと涼宮ハルヒキョンを思い出したが、そんなに似てはいないかな。もっと大きな元になる人物がいて影響されたのか、すなおなキョンの影響なのか、私の考えすぎなのかかはわからない。いや、そんなに頻繁に感じるんじゃなくて、多少、そうかなあという程度。

オチじゃなくて、ヒネリも見事。うまい人だねえ。他の作品も読んでみたくなったな。ただ、ライトノベル的お約束のキャラクターも登場してくるので、そのあたりはちょっとなあ。まあ、ライトノベルだから当然っちゃ当然なのかもしれないが。

個人的には幽霊とか亡霊とかいるはずもないと思っているし、フィクションで楽しむうちはともかくとして、本気で思っているんだったら単純に若いか少し経験が足りないんじゃないかと思ってしまうけれどね。

6.5

幽式 (ガガガ文庫)

幽式 (ガガガ文庫)